SYSTEM

系統用蓄電池システムの背景

電力自由化以前は、旧一般電気事業者である大手電力会社が主に火力・水力・原子力等の発電所で発電を行っていましたが、発電量が天候に左右される太陽光発電や風力発電等の再生可能エネルギー由来の発電設備が増加するにつれ、一部時間帯において需要と供給が一致しない状態が見られるようになりました。
例えば、太陽光発電所の発電量は日射量に依存し、晴天の正午前後の時間帯は電気が余る傾向がある一方で、太陽光発電の発電量が低下する16時以降は、電気が不足する傾向があります。
電気は、その特性上常に需要と供給を一致させる必要があり、電気の需要と供給のバランスが崩れると、電力システム全体のバランスが崩れ、ひいては大規模停電に至るおそれがあります。

電力需給の安定化に向けた対策として、蓄電池等のエネルギー貯蔵設備の活用が期待されており、2022年5月に改正された電気事業法において、需給を調整する役割を担う系統用蓄電池※が発電事業として位置づけられました。(2023年4月施行済み。) 系統用蓄電池は、電気が余る時間帯に充電し、電気が不足する時間帯に放電することによって、電気の需給ギャップを解消し、安定的な電力供給に寄与するものとしての活躍が期待されています。また、放電については、複数の市場の要請により行います。
したがって、系統用蓄電池システムは、取引の時間帯やどの市場に参加するかにより大きく収益に影響するため、過去の取引履歴や、市場・時間帯ごとの価格等の情報等を踏まえた入札方針を立てることが大事です。

※電力系統に単独で蓄電池システムを接続する大規模な蓄電池

MONETIZATION

各市場において収益化を図る方法

電力の供給者と需要者が電力を取引する場所であり、価格や供給の調整が行われます。

01

卸電力市場

  • ⚫︎蓄電池による充放電の制御により、市場価格の高い時に放電し、安い時に充電を行うことで値差による収益を得ることができます。
02

容量市場

  • ⚫︎蓄電池等は容量市場(広域機関)からの発令に基づいて放電することで支払要件を満たし収益を得ることができます。
  • ⚫︎応札容量(kW)に応じて容量確保金額を獲得できます。
03

需給調整市場

  • ⚫︎必要量の指示により、市場へ「調整力」を提供することで収益を得ることができます。
  • ⚫︎調整リクエストに対する応答速度の速さに応じて、取引商材が区分されています。
蓄電池の価値 取引される価値(商品) 取引される市場
電力量【kWh価値】 実際に発電された電気 卸電力市場(JEPX)
容量(供給力)
【kW価値】
発電することができる能力 容量市場
調整力【kW価値】 短時間で需給調整できる能力 需給調整市場
  • ※一定の前提に基づく机上計算によるモデル収支であ り、モデル収支通りの収入・収 益を保証するものではありません。また、当社は、本モデル収支の使用に関して一切の責任 を負いません。
  • ※モデル収支の詳細、前提事項、単価項目については、秘密保持契約締結後の開示になります。
  • ※上記の収支は変動しますので、目安としてお考え下さい。

MERIT

弊社で系統用蓄電池事業を進めるメリット